【映画メモ&ネタバレ】情婦 イケメン? と美女よりもコミカルなおじちゃんから目が離せませんでした。

2021年5月11日火曜日

映画

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1957年 アメリカ 

原作 アガサ・クリスチーネ察側の証言」

監督 ビリー・ワイルダー

タイロン・パワー、マレーネ・デードリッヒ、他

モノクロ作品


あらあらすじ

<映画の最後には結末は決して言わないでください、との注意事項がありました! 見てない人は無の状態で見た方が絶対面白いですよ!!>


病気から復帰したばかりのベテラン弁護士ウィルフリッドは、56歳の未亡人殺しの容疑者レナードの弁護を頼まれる。

監視する看護師にまだ無理だと止められる中、ウィルフリッドは話だけを聞く事に。


本人は無実を主張、アリバイを証明できるのは戦争でドイツに行った際に出会ったドイツ人妻のクリスチーネのみ。


レナードと未亡人とは偶然が重なり、妻抜きで仲良くなり家に遊びに行く程親しくなっていた。

金には困っていたので、あわよくば金を借りたいとは思っていた。


だが死んでしまっては金を借りる事も出来ない。


ウィルフリッドはレナードは無実だろう、と思った時、金庫に入っていた未亡人の遺言状が書き換えられており、ほとんどがレナードに残され、8万ポンドを受け取る事になっている事が分かる。

知らないと主張するも突然不利になるレナード。

すぐに警察がやってきて容疑者として逮捕されてしまう。


その直後、入れ替わるようにレナードの妻、クリスチーネの方からウィルフリッドを訪ねて来た。

関わるつもりはなかったウィルフリッドだったが好奇心は抑えきれず、妻の話を聞く。


するとクリスチーネの態度には不自然な所があり、まるで「殺害時刻には家に帰ってきていました」というアリバイを言わされているような言い方をする。

その上、実はレナードには言っていないがドイツに本当の夫がいると言いも出す。

クリスチーネにとってドイツ人の自分がイギリスで生きるには結婚するしかなかった、と言い訳をする。


ウィルフリッドはややこしい状況に、がぜんやる気を出し、正式にレナードの弁護を引き受ける事に。

だが何を考えているのか分からない妻を証人にするのは避けた。


裁判が始まると、レナードに不利な証拠等が登場するが、ウィルフリッドの機転で一進一退となる。


が、最後に検察側の証人として登場したのは妻のクリスチーネだった。

クリスチーネはレナードの妻、としてではなく、ドイツでの夫ヘルム夫人として宣誓する。

それはレナードにとって不利な発言が出来るという事でもあった。


そしてクリスチーネは、レナードの帰宅時間は遅く、服についていた血を洗わされた、彼女を殺したと言っていたと証言し、レナードは窮地に立たされる。

「彼を愛してないけど、最初は恩義を感じて、警察にはアリバイになる時間を伝えたけど、やっぱり殺人は悪い事だから」

クリスチーネは神に誓って発言は偽証ではない、と言った。


ウィルフリッドはなんとか形勢を立て直そうと、レナード本人を証人として証言台に立たせる。

もちろんクリスチーネの重婚は知らず、ショックを受け、何故あんな嘘を言うのか分からない、と頭を抱えていた。


だがダメージはさらに追加され、事件の1週間前に貧乏なはずのレナードが旅行の相談をしているのを目撃されていた。

しかも妻以外の黒髪の女性を連れて。


レナードはバーで会った女と芝居のノリで行っただけと弁解したが、陪審への印象は良くはない。


ウィルフリッドは妻が偽証していると思っていた。

だがその狙いはさっぱり分からない。


最終弁論を残すだけとなった夜、クリスチーネのネタがあるから取引きしたい、というタレコミ電話を受け取る。

よくある事でガセネタが多いのだが、藁をもすがる気分でバーで会うと、顔に傷のある女からクリスチーネがドイツ人の夫に書いたという手紙を売りつけられる。

昔、クリスチーネに男をとられたという恨みを持っているのだという。

顔の傷もその時のいざこざで、クリスチーネにつけられたものだった。

女は金を受け取るとさっさと姿を消した。


その手紙のお陰で、クリスチーネがレナードを陥れる為に偽証していたということが明らかになった。

理由は、レナードが逮捕されれば、ドイツ人の夫の元に堂々と戻れるから。


ウィルフリッドは手紙を使い、クリスチーネに偽証だったことを認めさせた。

それは、レナードにはアリバイがあり、未亡人殺しの犯人ではない、という事でもあった。


陪審の出したレナードの判決は無罪となり、ウィルフリッドの思い通りの結果になったのだが、どこか出来すぎな印象がぬぐえず違和感を持つ。


だがその違和感の理由はすぐに判明する。

一瞬で大衆の敵、悪女となったクリスチーネは自身の裁判までのひと時の自由時間に、ウィルフリッドにネタ晴らしをした。


昨夜、タレコミをした女はクリスチーネの芝居で、そもそも自分が愛する男はレナード1人だけだと。

すべてはレナードを確実に無実にするための仕込みだった。

要は、妻が夫のアリバイを言うだけでは陪審が信用するか不安だったから、確実にするために考えられた芝居だった。

ウィルフリッドは納得できなかった。

「自分に任せてくれたら、無実なんだからそんなことしなくっても勝てたのに!」

「まだ分かってないの? 有罪だからよ」


クリスチーネは愛する殺人者を救う為に、自分が偽証罪になることを受け入れていたのだった。


そして無事自由の身となったレナードも2人に合流した。

ウィルフリッドはすっかり2人に騙されてしまった。

茫然としていると、そこへ傍聴席に座っていた黒髪の女性がやってきてレナードに抱き着いた。

それは旅行会社で一緒にいたという女だった。

行き連れも何も実は数ヶ月前からつきあっていたという。


クリスチーネはそこで気づいた。自分こそ、レナードに利用されていたと言う事を。


そしてクリスチーネは更なる罪を重ねる。

レナードをその場で刺し殺して。


ウィルフリッドはそれを処刑だといい、クリスチーネを弁護する事を決めた。

かんそう

アガサ・クリスティ原作の映像作品(特にポアロ)が好きで、この原作「検察側の証人」もBBCのドラマ版を見ていたんですが、その作品の記憶が上書きされてしまう程、この映画版が面白かったです。

とにかくウィルフリッドのキャラが最高!!

デヴィッド・スーシェのポアロに通じる、愛すべきおじちゃまで、見た目は小太りであまり仕事が出来そうにも見えない、しかも本人も酒、たばこ、身体に悪い事大好きで、法廷にも薬を飲むといってアルコールを持ち込んだりと、結構不真面目。

しかも人が良過ぎる? 敏腕弁護士の割にはレナードの嘘を最後まで見抜けずすっかり騙されてるし。

けど弁護士としての腕前は確かで、法廷となるとテキパキ出来る姿を見せるというギャップも良し!!

レナード役のタイロン・パワーはジゴロな位だから、魅力的な男という役柄でしょうし、マレーネ・デードリッヒはクール・ビューティーな大女優。(手紙を売りつけた時、化けていると分からなかった!!)

なのになのに、私の目はウィルフリッドに釘づけでしたw

シナリオが面白いのはもちろんのことですが、良きおじちゃまを見つけたという得した気分になれました。


ちなみに、BBCドラマ版とはオチも少し違い、こちらの方がもう1段階ひねっています。

だからこその「結末は言わないでください」に納得で、個人的にはドラマから先に見ていたという順番も効果的でした。え、まだあるの!? みたいな。

何より雰囲気が全然違います。

全体的にコミカルな仕上がりに、終始レナードのくったくのない明るさが、最終的に真犯人だと分かった時の温度差にゾっとなるはず。




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海外ドラマのあらすじと感想を扱う海外ドラマクイーンズというブログをやりつつ、ちょっと余裕が出てきたので日常ブログも始めました。

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