1968年
原作 アイラ・レヴィン
監督 ロマン・ポランスキー
ミア・ファロー、ジョン・カサヴェテス他
あらあらすじ
ローズマリーと夫で売れない俳優のガイは、NYの古い曰く付きのマンションに引っ越す。
そこは以前、悪魔崇拝者が住んでいたり、殺人があったというが、部屋を見て気に入った2人は気にしなかった。
しかし、住み始めるといきなり知り合ったばかりの隣人テリーが飛び降り自殺したり、それをきっかけに知り合ったテリーの養父母ローマンとミニーがやたら絡んで来るなど、雲行きが怪しくなっていく。
しかもローズマリーが妊娠すると、ミニー達は自分の孫が生まれるかのごとくお節介を焼いてきて、強引に主治医まで変えてしまう。
親切だと思って従うが、だんだん体調が悪くなっていき、このまま中絶してしまうのでは? と不安になっていく。
それでも周囲はこのままで大丈夫、大丈夫と取り合ってくれない。
気付けば何故か夫も隣人の言いなりになっている。
そんな中、ローズマリーが頼りにしていた年上の親友ハッチは、会う約束をした日に昏睡状態になり、そのまま死んでしまう。
ハッチの遺書により、ローズマリーには1冊の本が残された。
それは「悪魔のしもべたち」という本で、直接のメッセージは残っていなかったが、ヒントがありローズマリーは、隣人のローマンの名前が悪魔崇拝者の息子の名前のアナグラムで、その本人だと気づく。
そこからローズマリーは、自分の周りには悪魔崇拝者がいて、悪魔に赤ん坊を取られる、と元々の主治医に連絡をしてこっそり子供を産もうとするが、「悪魔が~」というローズマリーの話を元主治医が信じるはずもなく夫を呼ばれ、あっさり連れ戻される。
そして陣痛が来て自宅で出産をするが、息子は死産だったと告げられる。
だがローズマリーはそれを信じず、隣人の部屋に忍び込んで息子を見つけた。
見ただけで悪魔と分かる目をした赤ちゃんを。
驚くと父親が赤ちゃんなんだから当たり前だと、とうとうローマンをはじめ、隣人達は正体を暴露する。
その上、ローズマリーも仲間にならんか、と誘った。
赤ちゃんには母親が必要だから。
最初は拒絶し、神に祈ったもののローズマリーは赤ちゃんが気になって仕方なく、ゆりかごに近づいた……。
おしまい
かんそう
60年代と古い作品で、悪魔というワードはありますが映像的にはいわゆるホラーっぽいシーンはなく、心理ホラーって感じです。
見ている側は、ローマン達が怪しいのは分かっていますが、なんせローズマリーが分かってなくて。とにかく気づいて! 早く逃げて!! とハラハラしてしまいました。
まず、最初から曰くつき物件なんだから気にしてよ!!
そもそも妊娠した夜に、思いっきり悪魔が出てくる悪夢見たんだから警戒してよ!!
ローズマリーは基本おっとりしている専業主婦って感じでかわいいんですけど、おっとりしすぎでしょ。でもめちゃカワイイ。それだけでも見る価値ある。ベリーショートがおしゃれ。
夫は簡単に(ほぼ一晩で)悪魔崇拝側になっちゃうし。
この作品、売れない俳優へのディスりが凄くないですか? エンタメとしての自虐ネタ?
枕営業、悪魔営業。この時代にハリウッドでマトモに仕事得てる人いたんだろうか。
一応、夫はローズマリーには手を出すな、という条件で悪魔カルトの仲間に入っているのですが、悪魔の子を産ませてる時点で十分手を出してると思います、出しすぎです、ハイ。
つか、夫の自己中っぷりが異常。ローズマリーは最後に夫の顔にツバ吐いてましたが、それがすべてです。
そんな感じで、夫が隣人に協力してるもんだから、妊婦のローズマリーが1人で立ち向かうのは確かになかなか大変だけど、ローズマリーもまあ基本は流されちゃうんですよね。
なんだかんだ夫がこそこそカルトの仲間になっていても気づかないんだもん。
(夫はローズマリーを母体とする事と引き換えに、ライバルの役者を失明させて役を奪い、のし上がっていった)
死んだハッチが贈った本も最初意味わからないと、「ハッチっておかしかったのね」って1回終わらせようとしてたしw
ともあれ、ローズマリーはカルトに目をつけられるんですが、それってカルト以前に隣人がやばかったって話だと思いました。
むしろカルト問題って考えるよりも、「隣人トラブル」と考えるとすごく身近でゾっとしました。
いつの時代でもどこの国でも、誰にでも起き得る身近な問題ですもんね。
ローズマリーが、洗濯室でたまたま会った初対面のテリーと親しく話さなければ。
テリーの遺体を見た時、そこにいた養父母と話していなければ。
まあ、隣人だからそれでもいつかは目をつけられていたんだろうけど。
この映画では、終始「隣人付き合い」が描かれているけど、集合住宅だと付き合わずとも、騒音とかマナーの問題もあるし。
隣人ガチャでハズレ引いたら怖いな、とまさにホラーでした。
と同時に今の隣人トラブルのない、平和な環境をとてもありがたく感じられました!
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